批判の矛先は主に880万円という制作費用に向けられており、内容に及ぶものもある。黒岩祐治知事は金額について「妥当だ」と強調するが、税金の使途としての妥当性に懐疑的な視線が向けられている。【木下翔太郎】
動画のタイトルは「神奈川県で彼女?1万円企画して色々満喫してきた」で、時間は約14分。若手ユーチューバーの「かの/カノックスター」さんと女装した「たすく」さんの2人が横浜中華街の飲食店を巡り、
1万円で食べ歩きしながら、店舗の感染防止対策などを紹介する内容になっている。
店舗前のシーンでは、県が事業所に登録を求めている「感染防止対策取組書」の掲示を確認し、2人が「これなら安心だね」などと会話している。
冒頭では、かのさんが自身が着用するフェースガードを「おもしろい、よくわかんないやつ付けてる」と表現する場面もある。
動画は県の募集に提案した4社から選ばれたデジタルマーケティング会社「AnyMind Group(エニーマインドグループ)」(東京都港区)が制作。
880万円の内訳については、440万円が2人分の出演料や撮影・編集の関係経費で、残りの440万円が広告配信費や著作権費用などという。県はその他の詳細については企業の権利などの点から非公開と説明している。
動画投稿サイト「ユーチューブ」の県公式チャンネル「かなチャンTV」で8月26日に公開され、新聞やニュースなどで取り上げられたこともあり、4日までに再生回数は22万回に伸びている。
ただ、コメント欄には辛辣(しんらつ)な意見が相次いだ。費用について「税金だと思うと腹が立つ」「無駄遣いなのでは」「880万円あれば医療従事者がどれほど助かるのか」といった書き込みが並ぶ。
内容についても「想像以上にくだらなくてびっくりした」という指摘もあった。
動画に対して低評価を意味する「よくないね」の数は1381件で、高評価の「いいね」の約10倍。県にも電話などで数十件、批判が直接寄せられているという。
批判の高まりを受けて再生回数も増えるという皮肉な結果となっているが、黒岩氏は2日の定例記者会見で「動画が再生されれば再生されるほど費用対効果がある。もっともっと多くの人にみていただきたい」とどこ吹く風だ。
黒岩氏は費用について「高いという第一印象を持つのはよくわかるが、相場であり妥当だ」との認識を示したうえで、「コロナ対策の普及が感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る最大の手段で、そのための経費だ」と強調している。
県総合政策課の山崎博課長は「880万円の中には広告配信費なども含まれており、数字が独り歩きしていると感じる。批判に対しては丁寧に説明していきたい」と話す。
2020年9月4日 17時56分 毎日新聞
https://news.livedoor.com/article/detail/18844489/
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Source: YouTube速報